4 違法ドラッグの選択的分析法と薬物代謝能測定に関する研究


麻薬等と類似の構造を持つ違法ドラッグの乱用が若年層の間で社会的問題となっており、取締り強化のために平成19年度の薬事法改正により、指定薬物制度が導入されている。しかしながら、違法ドラッグの毒性や作用の関する情報は乏しく、代謝やトランスポーターへの影響を明らかにすることは、違法ドラッグの危害性を解明することに有用な情報となりうる。そこで、薬物代謝の多くに関わる酵素であるCytochrome P450(CYP)を用いてトリプタミン系違法ドラッグの代謝および、CYPの遺伝子多型による代謝能への影響の検討を行っている。また、トリプタミン系の薬物の中には抗うつ薬と類似の作用機序を示すものが報告されているため、Caco-2細胞を用いてトランスポーターへの影響についての検討も行っている。